『BloodOpera 《赤》き聖餐よ、我らを誘え』
 
 
 
《 ストーリー 》
 
 
 
■〈黒〉たちのゲーム
 
――人類の歴史は、吸血鬼たちのゲームによって築かれてきた。
 
〈黒〉が何処から来て、いつからいるのか、誰も知らない。ただ、彼らが人間の生き血を啜る吸血鬼であり、生死を越えた存在であるということ以外は、何も。
 
〈黒〉は何百年、何千年、或いは何万年、自ら選んだ家系を護り、互いに殺し合わせる「ゲーム」を続けていた。
 歴史に名を残す帝国の滅亡も、全世界を巻き込む規模の戦争も、ひとつの民族を滅ぼす大虐殺も。
 すべて年老いた邪悪な〈黒〉が始めた暇つぶしのゲームの一環に過ぎなかったのである。
〈黒〉が庇護を与えるのは彼らが人間だった頃の血縁である。彼らは選ばれた家系に生まれた〈赤〉に愛情を注ぎ、陰ながら守護し、さまざまな恩恵を与えてきた。
 不死の存在である〈黒〉たちの反目は、必ずそれぞれの庇護する〈赤〉に対する攻撃の形を取る。
数え切れない〈赤〉が自分の死ぬ理由すら知らずに死んで行った。 
 自分たちの血統に干渉してくる人知を超えた存在が、自分たちを心から愛しているという事実は、まったく免罪符にならない。どんなに深い愛情から発したものであれ、生まれてから死ぬまで永遠に続く束縛と支配を受け入れることは、難しい。ましてや他の〈黒〉から狙われ、非業の死を迎える元凶であるとすれば、なおさらのことだ。
 
 
 
■ 国際総合商社「Alexa」の設立
 
〈黒〉の干渉は表面化することは殆どなかったが、一部の〈赤〉は自分の家系を支配している不死の存在に気づいた。
 そして〈黒〉の庇護と束縛から自由になる方法を求めた〈赤〉が集まり、互いに助け合うために、結成した組織が「Alexa」である。
 組織された当初はごく小規模な秘密結社であった「Alexa」だが、現在では国際的な巨大企業としてさまざまな分野に勢力を広げながら、研究を続けている。
 いつの日にか〈黒〉の呪縛から自分たちの血統が解き放たれて、不意に訪れる暴力的な死の恐怖や理不尽な束縛とは無縁の、本当の自由を手に入れることを願って。
 
 
 
■ そして現在――
 
 物語の主人公は呪われたる血の末裔として「Alexa」に所属する〈赤〉たちである。
 しかし全メンバーが〈黒〉への憎悪を抱いていた時代とは違い、〈黒〉に友好的な者や、その力を利用しようと目論む者の出現が、事態を混沌とさせている。
 庇護と束縛からの解放を求めて戦うのか?
 それとも〈黒〉に与し、宵闇の世界の覇権を求めて暗躍するか?
 はたまた仲間と協力して会社を興し、一国一城の主となるか?
 あるいは〈黒〉の手を取り、ともに昼間の世界で生きていく方法を模索するのか?
 
――選ぶのはあなた自身である。
 
 
 
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