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初期情報05
 
 
 
義賊団はじめました
【担当マスター】菅野紳士
 
 
 
 広島県内、某所にて。
 ディーヴァ陣営のこの街で、これほど立派な屋敷に住める者など、『ディアティ』以外に存在しない。彼らはその持て余すほどの力を駆使して、食べ物を奪い、財産を奪い。そうやって今の地位までのし上がったのだ。
 無論、その影で犠牲となった者たちは星の数ほどいるだろう。とくに『ロード』の扱いは、奴隷かそれ以下の存在と言ってもいいぐらいだ。
 そんな世の中だからこそ、それを許さない黒い輝きが存在するのである。
 それはほんのかすかな物音だった。たとえ耳をそばだてていても聞き逃すことがあるかもしれないそれに、屋敷の主人が気づいたのは、まさしく幸運。いや、ある意味、不運だったのかもしれない。彼の至福のひとときが、わずか数分、数時間といえ早まる結果となってしまうわけなのだから。
「誰だ!」
 部屋の扉を開けた主人が叫んだとき、全てが手遅れとなったあとだった。
 本来、部屋を見渡すほどあったはずの金品、財宝。暴力によって築かれた桃源郷が、今は跡形もなく姿を消し去っていたのである。
 そして代わり残されていたのは一枚の手紙だけ。差出人の名前もない、文面もわずか一行。そんな手紙に書かれていた言葉。
“義賊参上!”
 それはあまりにも鮮やかな手口ゆえ、彼に怒りや悲しみの感情を生み出させる余裕さえ与えはしなかった。もはや追いかけてどうにかなるものではないだろう。痕跡を探そうにも、足跡ひとつ、手がかりは残っていないのだから。
「やられた……。 噂には聞いていたが、まさか本当に実在していたなんて」
 そう彼は肩を落としながら、つぶやくことで精一杯。
 わずかに遠く。窓に映る月の中で小さな気球らしきシルエットだけが、不適な笑みを浮かべているかのようであった――。
 
「――とまあ、そういうのがやりたいわけだよ」
「さすが姐さん。志が大きいっス!」
 上機嫌に手にしたグラスを回す妙齢の女性の言葉に、小太りの男が合いの手を打つ。
 そんないつも光景に、マスターは辟易とした気分でこめかみに指を押し当てた。
 ここは広島市内にできた貧困街の一角。小さな喫茶店、ワイルドバンチはそんな場所にぽつんと建っていた。
 店のマスターもいくら趣味同然に始めた店であるといえ、なにもこんな場所に建てるべきではなかったのかもしれない。閑古鳥が鳴いているのは年中のことだし、唯一無二の常連客はよりにもよってこんな連中。
 一人は女性。あまり化粧っ気は感じられないが、一応、美人の部類に入るのだろうか。とは言え、スーツの上から羽織ったトレンチコートといういでたちで、おまけに帽子までかぶったその格好は、さながら古い映画のギャングかアウトローそのもの。これではどれだけ気の多い男であっても、話かけようとは思わないに違いない。
 そういう意味では、彼女の隣にいるこの小太りの男は数少ない例外なのかもしれない。こちらも女性に負けておらず、派手な柄シャツに丸レンズのサングラスと、どこぞの小悪党を髣髴させる。
 いかんせん迫力より、滑稽さの目立つ二人組ではあるものの、堅気でないことだけは明らかだった。
「世のため人のために盗みを働く義賊。これぞまさしく悪の華さ。思えばあたしはこのために、『ペリュトーン』から生き残ったのかもしれないね。――あ、マスターおかわり」
「悪の華でもなんでもいいが、たまにはコーヒー牛乳以外のものを入れさせてくれ」
 これではマスターが愚痴をこぼすのもいた仕方がないというものである。
「ただ、義賊をやるにも、問題がひとつあってね。ほら、この街の成金たちってのは、要は強いから偉くなれたわけだろ。あたしとサブの二人だけじゃ、ちょっとばかし心細いじゃない」
「姐さんは基本、ビビりっスからね」
「物事に慎重って言ってほしいわね。せめて、あたしたちをサポートしてくれる心強い仲間がいてくれれば、計画をすぐにでも実行に移せるんだけどさ」
「そうっスね。誰でもいいから仲間がいれば――」
 じっと、マスターの顔を凝視する二人。
「俺はやらんよ」
 舌打ちする二人。
「とまあ、それで作ったのがこれってわけさ」
 そう言いながら、女性はマスターの前に一枚のビラ紙を突きつけた。
「いやあ、手書きだから苦労したっスよ」
 あのなあ……。マスターが頭に手を置く。
「お前らがなにをしようと、俺は止めやしないよ。うちの店を巻き込みさえしなけりゃな。で、一体、どこのバカがこんなものを真に受けるわけだ?」
「わかってないねえマスター。誰も真に受けないからいいんじゃないの。これなら都市の連中に目をつけられる心配もないだろ? それにもし、このビラを真に受けることができるぐらいのバカなら、間違いなくあたしらの同志ってことさ」
「さすが姐さん、理論派っスね!」
「ああ、そうかい……」
 思わずそんなため息を交えつつ、マスターはビラの文面を何度も読み返した。特に下ののあたりを。
 まあ、なにはともあれ。こうして広島の街に彼女たち、名もなき悪の華が、人知れずして小さなつぼみを咲かせようとしていたのである。
 
◇     ◇     ◇
 
『義賊団募集のお知らせ』
 
 今の世の中に不満がある! 義賊なんてカッコいいじゃん! そんな人たちを募集しています。私たちとともに世のため人のため、悪の花道を歩んでみませんか。
 
・活動内容
 あくどい方法で財を成したふとどき者のもとへ盗みに入り、その戦利品で貧困街の恵まれない『ロード』たちの支援を行ないます(もちろん『ディアティ』でも貧しい人は救います)。
 
・応募基準
 年齢および性別、『ディアティ』、『ロード』は問いません。ただし以下の三つの規則を守れる方であること。
 
一つ、仲間を裏切らない
一つ、人を殺さない
一つ、浪漫を胸にいだけ
 
・給付
 義賊なのでお金は入りません。
 
・集合場所
 喫茶店ワイルドバンチ
 お髭のダンディなマスターが、あなたの訪れをお待ちしています。
 
シナリオ傾向など
推奨対応人数 ★★
最大対応人数 ★★★
シナリオ危険度 ★
キーワード 『泥棒活劇』『義賊』『勧善懲悪』『仲間と協力』『作戦会議』『緩々とした気持ちで』『死なないけど、捕まることはあるかも?』『盗みも犯罪? そんなの関係ねえ!』

イラスト=桜瑞
 
 
 
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