運命準備委員会 Sommerbrautは寂かに告げる
 


 
 
 
ルール解説
 
 
 
◆スタートブック第2章第2節
 「輪楔者と転生について」
 
この世界でプレイヤーのみなさんが登録することになるキャラクターは、全員が「輪楔者(ファウ)」と自らを称する転生者です。
 
輪楔者とは
 
 輪楔者は、約10万年前に存在していた超古代文明(ウルボーデン)に生きた者たちであり、現世でその記憶と特殊な能力を受け継いだ者たちのことです。
 超古代文明の民の一部は、五感を発達させ、現代人からすれば超能力と判断される能力を身につけていました。また、いわゆる「人間」と異なる異種族の民も存在し、彼らは人が持てない体と能力を駆使していました。
 ――一切の痕跡を残さず滅び去り、今や存在を顧みられることすらない超古代文明。
 その民の記憶と、彼らが有していた能力を、転生という形で現代に受け継いだのが輪楔者(ファウ)なのです。
 輪楔者であることを示す証は、大きく二つ。前世である超古代文明期の英雄たちの記憶(アーキタイプ)と、体のどこかに刻印されている紋章です。
 彼ら輪楔者は、それぞれの記憶に応じた『運命』を持っており、それは往々にして常人を超えた能力を伴って発現するのです。
 輪楔者が、現世に生まれ物心ついた瞬間から転生の記憶を持っていることは稀です。多くは、一般人と同様に暮らしていく中で、じょじょに、あるいは不意に、前世の記憶を取り戻しています。
 
輪楔者の転生
 
 輪楔者は、全員が超古代文明期に生きた記憶の断片を持っています。しかし、それは現世への転生が10万年ぶりの“生”であることとイコールではありません。
 輪楔者の多くは、現在の“生”を受ける以前にも一度、あるいは複数回の人生を経験しています。そして、それらの転生の記憶を10万年前のそれと同様に思い出している者も少なくありません。
 このことから、輪楔者は超古代文明を起点としているものの、その後複数回に渡って転生し、記憶を重ねているのだという推察がなされています。
 そもそも『輪楔者』という呼称は、超古代文明の同胞が繰り返し転生していることに気づいた先達が、自らをそう名づけたことから始まっています。
 なぜ彼ら輪楔者が何度も転生を繰り返すのか。それは今なお謎であり、解き明かすべき重要課題のひとつと見なされています。
 
超古代文明の記憶
 
 超古代文明(ウルボーデン)についての一般の史料は、何一つありません。その存在を知っているのは輪楔者だけであり、その証拠は彼らが共通して有している前世の記憶だけです。
 それゆえに、転生の事実に気づいた過去の輪楔者たちは、自分達が取り戻した記憶の断片を秘密裏に記録し同胞に伝えていきました。それらの多くは歴史の流れの中で失われてしまいましたが、一部は文書として、また一部は口伝として今に伝わっています。現世に転生した者達が、新たに自分達の記憶をそれに加えており、記録し保存する手段と機会が増えたそれらの資料は整理と研究が進められています。
 それらの中でも注目されているのが、「英雄達の記憶」と「滅亡に関する記憶」です。
 輪楔者は皆、超古代文明の記憶を持っています。そして、何人かの共通する英雄たちの記憶の断片も持っています。
 それらを照合するにつれ判明したことですが、英雄達の生きた時代は同じではありませんでした。しかもそこには、人間にあらざる種族の英雄も含まれています。最低でも数百年に渡るだろうと考えられている超古代文明の各時代に点在する英雄達が、なぜ、いかなる基準で輪楔者の共通の記憶として選ばれているのか?
 そして、いまだ判然としないのが「滅亡に関する記憶」です。超古代文明もまた人間の歴史の中によくある災害や諍いと無縁ではありませんでした。病や戦の記憶は、輪楔者にとって珍しいものではありません。しかし、滅亡をもたらしたのは何なのか? という問いへの答えとなる記憶は、いまだに不明なのです。滅亡を迎えるほどの天災や戦争があったのなら、それらの記憶を持つ者が誰ひとりいないのはなぜなのか? あるいは、滅亡の原因は何か特殊な事情であり、輪楔者を生み出した原因もまたそこにあるのではないか?
 現在確認できる唯一の輪楔者のコミュニティである八十神学院では、これらに対する解答を得るために、日夜研究が行われています。
 
ゲーム内における輪楔者
 
 『運命準備委員会 Sommerbrautは寂かに告げる』の主な舞台である私立八十神学院に集まっているキャラクターは、PC、NPCを問わず全員が輪楔者です。
 学院内では前世についての研究や考察、記憶覚醒のための能力鍛錬などが学校やクラブ単位で活発に行われており、同じアーキタイプを持つ者たちの交流もとてもさかんです。
 逆に、一歩学院の外に出れば、そこは現世を生きる一般人の社会です。前世の記憶について語れば、冗談かあやしげな団体の勧誘と思われることでしょう。また、一般人の前で『運命』の能力を使えば、なにかしらの器具を用いた手品あるいは詐術ととられます。いずれにせよ、待ち受けるのはあまり愉快ではない反応でしょう。
 それは、現世での家族についても同様です。現世での親子がともに輪楔者であるなどの幸運な例を別にすれば、総じて現世での家族は前世や転生といった話を信じてくれることは少ないようです。輪楔者の記憶を打ち明けたことから結果として家族と断絶した者もいますし、現世での一般常識を重んじて家族に隠している輪楔者も多いのが実状です。
 現世にあって現世の人達とは異なる生を定められているのが輪楔者なのです。

 キャラクターがどのような存在であるか、おわかりいただけたでしょうか。
 それでは、実際にあなたの分身でありともに成長してゆくPCを作ってみましょう。
 
 
 
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