GDDD外伝(仮称) No.G993602         担当:上岡統 「金持ち対決」 ―――――――――――――――――――――――――  ロレンツォ・メディチ[−・−]は悩んでいた。 「第2回偉人チャットで散々な目に遭っているんですよ、わたくしは。これ以上いじらないでいただきたいのですが。あれでわたくしの人気が向上、もう《祀徒》100人くらい押し寄せるかも」 「そんな期待は止せ。ここまで来たら徹底的にいじられキャラとしておいしい地位を築くべきだ。キャラをいじってもらうことの大切さを、オレは大学で学んだ」 「大学では正しい知識を学びなさい。真善美など」 「貧乏なギリシャさんの話は止めてやれよ」 「あなたが止めなさい」  ここまで来て何のことだかさっぱり分からない人は是非ともG991301とG993601もあわせてお楽しみください。 「地の文が美しくない!」 「そもそもGDDD外伝(仮称)の中で、GDDD外伝(仮称)の宣伝ってどうなの。全部タダだからいいか」 「……状況が美しくない」  メディチは嘆息した。      ◆     ◆     ◆ 「まずオレの名前は安岡成人[やすおか・なると]ね。詳しいプロフィールはZ063601読んでくれ、説明めんどくさいから」  ということでやっと成人の名前も出た。 「で、あなたはわたくしの《祀徒》なのですか? どうもそんな感じがいたしませんが」  メディチは怪訝そうに成人に聞く。 「いや、オレもう本契約いるからオマエとは一時契約」 「外伝なのだから細かいことを気にするのは美しくありませんよ」 「オマエ、そこまで自分を捨てるなよ。もっと自分を大切にしようぜ」 「どうせこのリアクションタイトルからネタは割れています。わたくしと財を競い合おうとは良い度胸ですね」  たとえ本契約の《祀徒》が1人もいなかろうと、フィレンツェ共和国でルネッサンス華やかなりし頃のメディチ家を支配した男、ロレンツォ・メディチである。 「もしかしたら次のターンで100人本契約してくれてるかも知れないじゃないですか!」 「オマエ、欲しいのは《祀徒》じゃなくて友達なんじゃないの?」 「やかましい! あなたはどうやら、成金の馬鹿息子というところなのでしょうけど、月とスッポンという良い諺をご存知ですか」 「どうせ金持ちなら、1ターンにつき、金が100億円使えるとかいう《霊験》にすればいいのに。《祀徒》が1万人くらい押し寄せるんじゃないの?」 「わたくしは金銭を無意味にばらまくような馬鹿成金ではありません」 「ケチだなオマエ」 「金持ちはたいていケチですよ」  ケチだから金持ちになったとも言える。 「でもさー、《霊験》メディチ銀行ってさ、これ霊力を貸す方の《祀徒》が損するじゃん」 「説明文をよく読みなさい。貸した分だけ成長するのですよ。銀行はお金を預ける場所だとお思いで?」 「だったらさー、霊力をまず5人に分けて貸すだろ。その5人にそれぞれ、5人に霊力を貸すようにノルマを」 「はいはい、それでどんどん子世代孫世代増やして、世代が増えれば増えるほど霊力増えますって、それはマルチ商法でしょう! 不正取引ではないですか!」 「オマエ意外にノリいいな。イタリア人だから? シューベルトはあれ、最終的に泣いちゃったんだけど、ドイツだかオーストリアだか知らねぇけど、あの辺の人ってみんなああなの?」 「……芸術家は繊細なんですよ」  《祭主》が《祀徒》に泣かされるなとか、《祀徒》が《祭主》を泣かせるなとか、そういうツッコミは避けたメディチであった。      ◆     ◆     ◆ 「で、一時契約をしたからには、何か目的があるのではないですか? わたくしの《霊験》を必要としているのでしょう?」  少しは《祭主》らしく振る舞ってみようとするメディチであった。本来は一時契約の《祀徒》には構う必要がない、というか本契約でも成人を構う気にはなれないが。 「オマエの《霊験》なんだっけ?」 「あなたが使えるのは、《霊験》華やかなりしフィレンツェですよ。他者の芸術活動を援護するといい」 「ふーん。これ使って、エロ同人で大儲けとかすればいいの?」 「想像通りの話を振ってきましたね。それにしてもあなたは、成金の割に考えることが貧乏くさいですね。もっと自分の財をこれ見よがしに誇ったりしないんですか」  メディチの言葉に、成人の表情が凍る。その反応に、メディチは不審を抱く。 「どうしました、リアクションタイトルからしてそういう喧嘩を売ってきたのはあなたですよ」 「……あのさ、親父に仕送り止められて、もう水道も出ないんだけど。近所の川にでも行けばいいのかな?」 「仕事を探しに行ってください」  真剣に心配をしてしまったメディチであった。 ――――――――――――――――――――――――― ■マスターより ▼こんにちは、上岡統です。 ▼ごめんなさい。ごめんなさい。 ▼大事なことなので2回言いました。 ▼では今回はこの辺で。またお目に掛かる機会があれば幸いです。 ―――――――――――――――――――――――――  ここに書かれている内容・情報は、「GDDD外伝」内限定のものであり、公式設定と食い違う場合があります。ここに書かれた内容を元にしたアクションは、原則採用されません。  このリアクションの複製および、個人サイトやブログ等での無断転載・転用、無断配布等は固く禁止しております。 ※個人としてゲームを楽しむための交流ためであっても例外ではありません。 ―――――――――――――――――――――――――